【本】人間は小さくないかもしれない。
蒼穹の昴(4) (講談社文庫) 著者:浅田 次郎 | |
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ちっぽけな悩みを吹き飛ばしてくれます。
清朝末期の中国、極貧の少年が「将来中華の宝をすべて手に入れることができる」という予言を信じて自分で人生を切り開いていく話。(途中まで読んだ時の感想はこちらです。)
中国発音も織り交ぜた文章が美しい。
史実と創作がうまく組み合わされていておもしろかった。歴史の勉強にもなります。ただ、超有名な人=実在、2人の主人公=創作、くらいは分かるんですが、実在の人物なのかフィクションなのか私には分からなかった人が数名;;調べてみないと;;
読み終わって、ふと、登場人物で幸せな人はいたのかな、と思った。
出世街道まっしぐらの人も、愛し愛された人も、理想を貫いた人も、英雄になった人も、国王になった人もいたけど、
結局幸せだったのかな。
自分が正しいと思うことをしてそれで殺されるのは本望なのだろうか。日本のサムライみたいに。
“『ごんぎつね』のごんは幸せだったのか”と尋ねられた時と同じように悩んでしまいました。
登場人物に優しい人が多い。そしてその人たちはみんなつらい経験をしている。だから優しいのだと思います。
たくさんの登場人物の感情がどっと雪崩れ込んでくる作品でした。
「人間の力をもってしても変えられぬ宿命など、あってたまるものか―」 か。
人間ってすごいんだなぁ。
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