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【本】あぁ、あの星に守られているのか。

蒼穹の昴(1) (講談社文庫) Book 蒼穹の昴(1) (講談社文庫)

著者:浅田 次郎
販売元:講談社
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「そうきゅうのすばる」、今文庫本で3巻目前半。全4巻なのでちょうど折り返したところです。

時は清朝末期、約100年前の中国。

どん底の貧しい生活の中、糞拾いをしてわずかな日銭を稼ぐ春児(チュンル)と呼ばれる少年。

しかし

「汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう」

という占い婆さまの予言によって彼の人生はこの上なく大きく変わった。

その予言の中で出てきた星が “昴”。

「汝の守護星は胡(えびす)の星、昴。」

「怖れるでない。汝は常に、天宮をしろしめす胡の星、昴とともにあるのじゃ。」

極貧のまま一生を終えていたであろう春児は、宦官(かんがん)となり、様々な人々との出会いによって西太后に仕えるまでになる。

・・・と、私が読んでいるのはここまで。

                                                          

春児のことだけをものすごく簡単に書けばこんなかんじですが、創作された人物も実在した人物も織り交ぜての登場人物の多さと、それぞれの人生や人物像が細かく書いてあるのに圧倒され続けています。脇役が脇役の扱いじゃないと思います。

著者の最高傑作と言われている壮大な物語です。

                                                             

まだ読み終わっていなくてちゃんとした感想は言えないのになぜ記事を書いてしまったかというと

昨日、昴を見たんです。

冬の空に夏の大三角、カシオペア座、昴、そして木星を、屋上から望遠鏡で。

というのも昨日、木星の衛星を眺める観望会に参加したのです。

ガリレオが見つけた「ガリレオ衛星」や昴、日食や月食などなどについてカフェでほんわかとした講話を聞いた後、ガリレオ衛星のうち2つが6年ごとに重なって1つに見えるのを望遠鏡(天文台にあるでっかいの)で見よう、というイベントでした。

木星が普通に肉眼で空に見えるのが何より驚きでした。「木星って見えるんだ!」って笑

すごく明るく輝いているのにあれが木星だとは全然知らなかった。金星や火星はよく聞くんですけど今度からは「あれは木星なんだよ!」って言えます(*ゝω・)b゚:*:゚(たぶん;)

そうそう。木星の4つの衛星はそれぞれ名前があるんですが名前の由来はゼウスの愛人の名前から取ったそうですw木星(ゼウス)にいつもくっついてまわっているからww

で、このイベントのメインは木星とその衛星だったはずなんですけど私は昴を見れたのがうれしくてうれしくて。

肉眼でももやっと見えるんですね。小さい雲みたい。

というか昴って1つの明るい星のことを言うのだと思っていたらプレアデス星団という星の集まりだったんですね;西欧では「七人の乙女」「七人の姉妹」と言われているそうです。

↓↓ウィキペディアの写真キレイです♪↓↓

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A2%E3%83%87%E3%82%B9%E6%98%9F%E5%9B%A3(写真クリックで拡大)

清少納言の『枕草子』に「星はすばる」と登場していることも初めて知って驚き。

プレアデス星団の中国名「昴宿」から“昴”の一字を取ったとのこと(平安時代は「須八流」だったらしいです)。

星が1つに集まっている=統(す)ばる

統ばる・・・昴、かぁ・・・。

あれが春児の星・・・あの星に守られているのか・・・

春児の手にあらゆる財物が集まる、と天が決めた、というあの予言。でもあの予言は・・・。

                                                             

私がこの『蒼穹の昴』を読み始めたのは結構前です。とっくに読み終わっていてもおかしくない。この本を薦めてくれた人には「途中でやめられなくなるでしょ?」と言われアマゾンのレビューにも「読み始めたら止まらない」と書いてある。

でも私は休み休み読んでしまっています。

間違いなくとてもおもしろくて傑作なのですがそれだけ先を読むのが怖いのだと思います。

今まで歴史小説を読んだことがなかったからかもしれないのですが、私には壮大すぎて人間について深く描かれ過ぎていて、なんかいろいろ追いつかないんです。

春児がどうなるのかすごーく怖い;あぁほんとに怖い。混乱しまくっている宮中で彼はどうなっていくんだ。あぁぁあぁああぁ・・・。

怖い、怖いんだけど先を読まずにはいられない。だから少しずつ少しずつ。でも

そろそろ読むのがやめられなくなりそうな気がしています。

とうとう宮廷に上がった。西太后にかわいがられている。清朝内部も国もどんどん混乱している。いつもにこにこしてかわいい春児はそれに巻き込まれていくんです。というかすでに渦中にいます。

この小説読んでて何度も思いました。「この人たちは何のためにこんなつらいことばっかりやっているんだろう」って。男女問わず。

宦官は男性が男性であることを捨ててまで権力を選んだ存在です。そうまでして生きるのって・・・

とにかく生きていさえすればと、小説は、歴史は、言いたいのでしょうか。

                                                             

ぬるま湯人生を送ってきた私にこの小説は 重い。

でもこれはみんな読むべき。おもしろいから。

                                                           

追記:

なんとNHKでドラマ化したらしい。日中共同制作で2010年1月より放映。これはこれは楽しみです。

http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/8000/18858.html

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コメント

この作品は出版当時に

ハードカバーで読みました。

何回読み返したろう。

投稿: | 2009年11月16日 (月) 15:30

*凛さん*

凛さんもお読みになったんですか(*゚▽゚*)♪
私も読み返すかもしれませんねーこれは。
といってもまだ途中なのでどういうエンディングを迎えるのかどきどき、というかびくびくというか;

読み終わったら続編的な「珍妃の井戸」と「中原の虹」も読みたいなぁと思っています(o^-^o)

投稿: らるは | 2009年11月16日 (月) 15:59

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